「クロス分析」完全ガイド!「最強の勝ち筋」を見つける方法

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「クロス分析」完全ガイド! 「最強の勝ち筋」を見つける方法

 経営において『クロス分析』を行うことは、とても重要な要素です。
「自社の強みをどう売上に結びつければいいの?」「時代の変化が激しすぎて、ライバルに遅れをとっていないか焦る」「次に打つべき一手が見えない……」という経営者様に向けて、SWOT分析やクロス分析、その結果を活用した実践的な方法や手順などについて詳しく解説します
 これは一般的な例なので、実際には当事務所などの経営支援の専門家に依頼することでスムーズに分析結果を得ることができます。
 クロス分析について、「SWOT分析やクロス分析とは? 」「これらを使うと何が分かるの?」「結局うちの会社はどうしたらいいの?」というお悩みがある方は、いとう行政書士事務所へご相談ください。
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1. SWOT分析とは?

 クロス分析を実施するための第一歩として、まずはその土台となる「SWOT分析」について説明します。
 SWOT分析とは、会社の「内部環境(強み・弱み)」と会社の「外部環境(機会・脅威)」をそれぞれに分けて、合計4つの項目で整理する経営分析手法のうちの一つです。英語の頭文字をとって「SWOT」と呼ばれています。

 この4つの要素を洗い出すことで、自社が今どのような状況に置かれているのかを客観的に見つめ直すことができます。

2. クロス分析とは?

 では、本題である「クロス分析」とは何でしょうか? ひとことで言うと、「SWOT分析で集めた4つの材料を、かけ算(クロス)して具体的な作戦を立てる手法」です。
 組み合わせのパターンは、以下の表のように4つです。

 このように、「強みがあるから、このチャンスに乗っかろう」・「弱みがあってピンチが来そうだから、どう守ろうか」など、2つの要素を交差させて考えることから「クロス分析」と呼びます。

3. SWOT分析とクロス分析の必要性について

 経営者様から「SWOT分析を知っている」「SWOT分析をやったことがある」というをお話を伺ったことがございます。しかし、その多くが「分析シートを綺麗に埋めて、満足して終わってしまった」という状況です。これは非常にもったいない状態です。SWOT分析のシートを埋めたならば、その結果を用いてクロス分析を行い、現在の自社を分析や今後の経営に役立てた方がよいと考えるからです。この2つをセットで行うことで初めて、会社を動かす本物の戦略が生まれるのです。
 特に、中小企業や小規模事業の限られた経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を、時代の流れに逆らった分野に投入してしまったり、会社にとってマイナスとなる分野に投入してしまったり、と無駄に費やすことになりかねません。効率よく経営を行うためにも、この分析は欠かすことができません。

4. 今からでもできる!分析の方法や手順

「難しそうだな…」と感じる必要はございません。この分析は、コンサルタントを呼ばなくても、経営者様が1人で、今からでも実践できます。もちろん当事務所のような経営支援の専門家にご相談いただいた方がスムーズに分析結果を得ることができるのですが、「とりあえず自分でやってみよう」と考える経営者様へ、分析手法を公開いたします。
 全体の流れは、以下のシンプルな4ステップです。

ステップ1:材料を集める(SWOT分析)
まずは自社の状況と世の中の流れを書き出します。
ステップ2:主役を決める
書き出した中から「一番インパクトの大きい要素」を選びます。
ステップ3:かけ算して作戦を立てる(クロス分析)
選んだ要素を組み合わせて、具体的な行動アイデアを絞り出します。
ステップ4:スケジュールに落とし込む(実際に行動する予定を立てる)
作戦を「明日からやるタスク」として手帳に書き込みます。

 このあと、それぞれのステップをさらに詳しく「準備編」と「実践編」に分けて解説します。
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5. 【準備編】SWOTの材料集めや考え方について(ステップ1・ステップ2)

ステップ1:材料を集める(SWOT分析)

 まずはステップ1、材料集め(SWOT分析)のコツです。
 ここで最も大切なのは、「未来のやりたいこと」や「過去の栄光」や「自分がやりたいと思っていた行動」を排除し、「客観的な事実」だけを集めることです。
 ある「街のパン屋さん」を例に、よくあるNG例と一緒に正しい考え方を見ていきましょう。

【内部環境】

  • S(Strengths / 強み):他社が真似できない、自社の自慢できること
    • よくあるNG: 「一生懸命がんばるスタッフがいる」(これは姿勢であり、他社との差別化になりません)
    • 正しい事実: 「後継者がいる」「お米を使った『米粉パン』の製造特許を持っている」「半径2キロ圏内の主婦層のLINE登録者が1,000人いる」
  • W(Weaknesses / 弱み):他社と比べて劣っていること、自社の苦手なこと
    • よくあるNG: 「もっと売上を上げたい」(これは目標であって、弱みではありません)
    • 正しい事実: 「売上が低い」「店舗が狭く、レジで行列ができるとお客様が諦めて帰ってしまう」「デジタルマーケティングができる人材が社内にいない」

【外側の事情:世の中のこと】

  • O(Opportunities / 機会):世の中の流れで、自社にとって「追い風」になること
    • よくあるNG: 「新しいSNSのアカウントを開設する」(これは自社の行動であり、世の中の流れではありません)
    • 正しい事実: 「テレビや雑誌で『グルテンフリー(健康志向)』がブームになっている」「近くに新しいマンションが建設され、ファミリー層が100世帯移住してくる」
  • T(Threats / 脅威):世の中の流れで、自社にとって「向かい風」になること
    • よくあるNG: 「売上が下がりそう」(これはただの結果です)
    • 正しい事実: 「小麦粉やバターなどの原材料費が前年比15%高騰している」「駅から店舗までの動線上に、大手の格安24時間ベーカリーが出店する」「消費税の増税」

ステップ2:主役を決める

 ステップ1で材料が揃ったら、各項目から「いま最も無視できない要素」を1つずつ丸で囲んで選んでください(ステップ2)。これで準備は完了です。
 この作業を何度も繰り返すことで、複数ある「強み、弱み、機会、脅威」から複数の戦略を立てることが可能となります。

6. 【実践編】クロス分析の組み合わせと作戦の立て方(ステップ3)

ステップ3:かけ算して作戦を立てる(クロス分析)

 ステップ3「かけ算(クロス分析)」の実践です。先ほどのパン屋さんの例をベースに、4つの項目からどのように作戦を導き出すのか、思考法を解説します。

① 【強み(S) × チャンス(O)】=「SO戦略:攻めの作戦」

「自社の得意技」を使って、「時代の波」に一気に乗る作戦です。
 企業の成長の原動力は、ほぼこの項目から生まれます。経営資源を集中させるべき最優先事項です。

  • パン屋さんの掛け算:
    • 【強み】お米を使った「米粉パン」の製造特許・高い技術がある。
    • 【チャンス】世の中で「健康・グルテンフリー」が大ブームになっている。
  • 導き出される具体的な作戦:

「健康志向の全国のユーザーをターゲットに、グルテンフリー専門のECサイト(ネットショップ)を新規立ち上げする。特許技術をアピールしたサブスクリプション(定期便)モデルを構築し、店舗の立地に依存しない全国規模の売上柱を作る。」

② 【強み(S) × 脅威(T)】=「ST戦略:待ち伏せ・切り抜け作戦」

 迫りくる「世の中のピンチ」を、「自社の強み」という盾でハネ返す、あるいはピンチを逆手にとってライバルを出し抜く作戦です。

  • パン屋さんの掛け算:
    • 【強み】半径2キロ圏内の主婦層のLINE登録者が1,000人おり、信頼関係がある。
    • 【脅威】駅から店舗までの動線上に、大手の格安24時間ベーカリーが出店する。
  • 導き出される具体的な作戦:

「価格競争では大手に対抗できないため、LINEの顧客基盤をフル活用する。LINE上で『焼き上がり時間のリアルタイム通知』と『事前取り置き・決済サービス』を開始。地元の常連客が『大手に行く理由』をなくし、来店頻度と顧客単価を維持・向上させる。」

③ 【弱み(W) × チャンス(O)】=「WO戦略:弱点克服作戦」

 目の前に絶好の「チャンス」が来ているのに、「自社の弱み」のせいでそのチャンスを逃してしまうのはもったいない!
 弱点を一時的にカバーするか、外部の力を借りてでもチャンスを掴みに行く作戦です。

  • パン屋さんの掛け算:
    • 【弱み】店舗が狭く、レジで行列ができるとお客様が諦めて帰ってしまう(機会損失)。
    • 【チャンス】近くに新しいマンションが建設され、ファミリー層が100世帯移住してくる(人口増加)。
  • 導き出される具体的な作戦:

「店舗の拡張はすぐにはできないため、接客の手間を減らす工夫をする。新住民が動く土日の朝の時間帯限定で、人気のパンを詰め合わせた『ファミリー朝食セット(一律1,000円・税込)』を店外の特設テントで事前決済の予約販売する。レジ渋滞を回避し、新規顧客をスピード獲得する。この作戦なら、お客様が直接店内に入る手間を省くことができ、特設テントで予約済商品の受け渡しのみなので時間も節約できます。」

④ 【弱み(W) × 脅威(T)】=「WT戦略:守り・回避の作戦」

「自社の弱み」に「世の中のピンチ」が直撃する、最も危険なエリアです。
 ここでは無理に戦ってはいけません。大ケガをしないために、「防衛策を張る」「その業務から撤退する」「他社と組む」といった、痛みを伴うが会社を生き残らせるための決断を下します。

  • パン屋さんの掛け算:
    • 【弱み】デジタルマーケティングができる人材が社内におらず、情報発信力が弱い。
    • 【脅威】小麦粉やバターなどの原材料費が前年比15%高騰し、利益を圧迫している。
  • 導き出される具体的な作戦:

「広告費をかけて集客する余裕もスキルもないため、薄利多売のメニュー(価格競争に巻き込まれる普通の食パンなど)の製造数を半分に減らす。その代わりに、手間がかからず粗利益率が高い『高単価な限定菓子パン』にシフト。メニューを絞り込むことで廃棄ロスと人件費を徹底的に削減し、少ない売上でも利益が残るスリムな経営体質へ移行する。」

7. まとめ(ステップ4)

ステップ4:スケジュールに落とし込む(実際に行動する予定を立てる)

 最後に、集大成となるステップ4です。4つの作戦が出揃ったら、経営者の鉄則として「① SO戦略(攻め)」で未来の利益を作る仕組みを仕込みつつ、「④ WT戦略(守り)」で現在の致命傷を避ける防衛策を今すぐ張る、この2つを主軸にし行動することを心掛けます。
 作戦が決まったら、実際に行動をするため、すぐスケジュール帳を開き、具体的なタスクとしてその日付に書き込みましょう。複数の作戦がある場合には、優先順位をつけて対応することで、順序立てて作戦を実行することが可能です。

  • 具体例
    • 「〇月〇日:ECサイトの構築リサーチ(業者を見積依頼を出す。補助金を検討する。)」
    • 「〇月〇日:不採算メニューの削減会議(商品別に売上と原価の集計をする。販売担当にお客様の反応を確認する。)」


 これで、分析は「ただ項目を埋めただけの用紙」から「実際に会社を動かす戦略」へと進化します。

終わりに

 経営において『クロス分析』を行うことは、とても重要な要素です。
「自社の強みをどう売上に結びつければいいの?」「時代の変化が激しすぎて、ライバルに遅れをとっていないか焦る」「次に打つべき一手が見えない……」という経営者様に向けて、SWOT分析やクロス分析、その結果を活用した実践的な方法や手順などについて詳しく解説しました
 これは一般的な例なので、実際には当事務所のような経営支援の専門家に依頼することでスムーズに分析結果を得ることができます。
 クロス分析について、「SWOT分析やクロス分析とは? 」「分析結果から何が分かるの?」「結局うちの会社はどうしたらいいの?」というお悩みがある方は、いとう行政書士事務所へご相談ください。
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